食品で がん死亡リスク減少

クルミやアーモンドなどのナッツ類が、 がんのリスク減少に有効との研究結果が発表された。

スペインでの調査によると、 7,000人以上(年齢55~90歳)の心血管疾患のリスクが高い被験者を対象に、約5年間の追跡調査が行われた。その結果、週に3回 28g程度のナッツ類を食べた人は食べなかった人と比較してがんや心血管疾患やがんなどによる死亡リスクが39%減少することが確認された。特にクルミは、がんの予防について関連性が高く、クルミを中心に食べたグループでがんのリスク減少が顕著だった。

がんに対するクルミの予防効果については、既にマウス実験で実証済みだ。クルミはナッツ類の中でもオメガ3脂肪酸を特に多く含む食材で、植物由来のアルファリノレン酸(ALA)の健康効果が脚光を浴びつつある。

クルミのがん予防効果の研究論文は、「BMC Medicine」へ発表された。

陽子線から正常細胞を防護する新がん治療法

副作用が無く効果が高いと注目の最新がん治療法である陽子線治療法は、旧来のエックス線による放射線治療とは違い、 体を突き抜けず がん患部に集中するため効果が高く、正常細胞を傷つけ無いのが特徴とされる。

しかし、口腔がんへの治療では、 陽子線が空気中では止められないために、口の中の空洞部を通って舌に口内炎などの副作用が発生することが課題だった。

新しい陽子線照射法では、口腔がん治療へ陽子線を照射する際に、歯型取りに使用されるビニールシリコン製緩衝材を遮蔽材として利用したのだ。

ビニールシリコンが陽子線を遮蔽することで正常細胞が防護でき、副作用無しに口腔がんを治療することが可能になった。

新しい陽子線照射法の口腔がんへの有効性は、福井県立病院陽子線がん治療センターが開発し、米国医学物理学の専門誌「メディカルフィジックス」に論文が発表された。