末期すい臓がん でも手術できる新治療法

すい臓がんが手術さえできない末期がんとされる最大の原因は、膵臓が重要な血管の近くに位置しているために、がんが発見された時点でがんが血管などが絡み合ってしまっているためだ。すい臓がんの7割はこの状態で発見されることで、発見時点で「末期がん」となってしまう。

この「末期すい臓がん」を手術する方法が開発されつつある。

「ハイフ治療」と呼ばれる最新治療法だ。

「ハイフ治療」は正式には、強力収束超音波焼灼療法(きょうりょくしゅうそくちょうおんぱしょうしゃくりょうほう)。

「ハイフ治療」は、手術ではなく、外部から超音波を当てることでがんを縮小される手法なので患者の負担は最小だ。

外部から1時間に1000発以上の超音波がん患部へ照射すると、超音波による約60℃の熱と振動で体内のがん細胞が壊死するのだ。

このハイフ治療によって、重要な血管近辺のがん細胞を壊死させれば、手術が不可能とされた末期すい臓がんが、手術でがんの摘出が可能になるのである。

ハイフ治療は、東京医科大学病院で2008年から臨床研究が実施継続されている。

「手術できなかった末期すい臓がんを手術できるすい臓がんに」できる希望に満ちた新治療法だ。

簡単な唾液検査で転移がんを発見

がん検査に最も求められるものは、実は正確性よりも簡単さなのだ。

が ん検査はテレビ,新聞,ラジオ,雑誌etc様々な方法で奨励、推奨されているが、受診者の数はなかなか増えない。自治体が補助金を付けてクーポン制にして さえも、微増に留まっている。がん検診の受診者が増えない理由は、費用もさることながら、時間と手間を惜しんでいる、もしくは大仰な検査への畏怖があるよ うだ。

そのため、がん検査をより簡単に安く多くの人が受診できる検査技術と検査機器の開発が必要であり、各研究機関での研究が進められている。
より簡単で、お手軽ながん検診が、多くの受診者をがん検診にいざなうのである。

もちろん一定度の精度は確保されていなければ、がん検診の意味を成さない。そのため、「スクリーニング」という、簡単には疑わしい患者だけを精密検査するための、粗い検査が実施されるのだ。

唾液によるがん検査はまさに このがんの「スクリーニング」検査として実施されており実用段階に達している。
「痛くない、簡単、誰でも採取できる」という利点は何者にも変えがたいメリットなのだ。

唾液で癌が検査できるのは、唾液は血液から作られているために血液成分を反映するから。スクリーニングとはいえ、疑わしい患者は全て探知される精度は確保されているので、心強いものだ。

現在のところ、唾液でのがん簡易検査は、前立腺がんの再発予防への利用で実績を積みつつある。今後のすい臓がん、乳がん、口腔がんへの適用拡大の研究成果が待たれる有望技術と言える。