最新の膵臓がん治療方針

膵臓がんで死亡するがん患者は年間約2万9千人とされる。すい臓がんは、早期発見が難しいことが最大の特徴で、幸運にも手術でがんを取り除けた場合でも術後に膵臓の周囲にがん転移・再発することが多いために、治療成績が悪いのだ。

最新のすい臓がんの治療方針は、術前化学放射線療法となっている。

術前化学放射線療法とは、文字通り手術の前に抗がん剤放射線治療を実施することで、手術後の転移再発のリスクを最小化しようとする治療法だ。 検査では視認できない、散らばっている可能性の高い細胞を手術前に抗がん剤で叩き、さらにすい臓がんが再発する可能性の高い場所にも手術前に放射線治療を施してしまうのだ。これによって、すい臓がんを手術除去した後の再発転移リスクを減らすことができるとされている。

がん免疫治療前に有効性を自動検査

がん患者の免疫力を自動検査する新システムが、来年2014年の実用化を目指して開発される。

がん患者の免疫反応検査は、第4のがん治療法として脚光を浴びている「がんワクチン治療」を施した際に、患者のがんに対して有効かを判定するために必要な事前検査だ。

「がんワクチン治療」は、 がん患者の体内の免疫力を最大限に活用することでがん細胞を攻撃する新しい 治療法。従来の抗がん剤と較べて、副作用が少ないだけでなく、 現行の抗がん剤で効果が無いがん患者の治療にも有効性が期待されている。

がんワクチン治療では、治療に先立って治療の有効性を事前検査されるが、現在は手作業で実施されている免疫力の事前検査を自動化することで、 検査精度とスピードが向上できるという。

がんワクチンの新検査機器は、パナソニックと、オンコセラピーが共同開発する。