余命を大幅に延長する乳がん新薬

乳がん治療の抗がん剤新薬の治験が好成績を収めている。

開発中の乳がん新薬は、開発コードの「PD-991」で呼ばれている。「PD-991」は、米国の大手製薬ファイザーが開発中の抗がん剤新薬

PD-991は、進行性・転移性乳がんの患者を対象とした抗がん剤新薬で、その治験は第2相臨床試験が完了した。新薬の治験結果は、生存期間の著しい改善が認められたのだ。

既存の抗がん剤レトロゾール(製品名:フェマーラ)の単独投与では7.5カ月だった余命期間(無増悪生存期間)が、新薬PD-991を併用投与した結果は26.1カ月へと大幅に余命が延長されたのだ。

今後は、第3相臨床試験が開始される計画で、 乳がん抗がん剤新薬へ大いに期待が高まっている。

がん増殖抑制に効果の抗がん剤新規格

抗がん剤アフィニトール(一般名:エベロリムス)の新規格「アフィニトール錠2.5mg」が新発売された。

「アフィニトール」は、mTOR阻害剤という種類の分子標的薬の抗がん剤だ。

mTORとは特殊なたんぱく質で、細胞の増殖や血管の新生を促す信号が がん細胞内に入った際に情報を伝達する働きがあり、 がん細胞内にある過剰に存在している。あるの司令塔のような役割を担っている。 mTORが働くために、がん細胞が際限なく増殖するのだ。 mTOR阻害剤である「アフィニトール」は、 mTORの過剰な働きを抑制することで がん増殖を抑える分子標的薬に分類される抗がん剤新薬だ。 「アフィニトール」は、日本では初めて承認された経口のmTOR阻害する抗がん剤で、その効果効能は、がん細胞の増殖抑制と血管新生阻害とされる。

現在「アフィニトール」は、世界90か国以上で承認され、日本では乳がん、悪性リンパ腫、肝細胞がん、「消化管または肺原発の進行性神経内分泌腫瘍」を対象として治験が進められている。

アフィニトールは、2010年1月に根治切除不能または転移性の腎細胞がんの治療に対して、その効能効果が承認され、「アフィニトールR錠5mg」が既に利用されている。その後、2011年12月には膵神経内分泌腫瘍の治療に効能追加が認められていた。さらに、2012年11月21日には結節性硬化症にともなう「腎血管筋脂肪腫」 および「上衣下巨細胞性星細胞腫 」の効能追加を取得した。

新規格「アフィニトール錠2.5mg」は、治療関係者の要望から容量の加減が可能になった新薬なのだ。